- 3月 12, 2026
- 1月 12, 2026
【部活動で頭をぶつけたら?】スポーツで頭を打ったら要注意 ― 子どもの「脳振盪」は見逃さないでください

救急医が日々診察する中で、特に注意が必要だと感じるのが、部活動やサークル中のコンタクトによるスポーツ関連脳振盪(Sport-Related Concussion)です。
三重県津市の当院(津かわもと救急・内科クリニック)周辺には、多くの中学校・高校・大学があり、部活動が盛んです。「転倒」「衝突」「ボールが頭に当たる」といった場面は日常的に起こりますが、その後の対応が将来を左右することをご存知でしょうか。
脳振盪は「一時的」でも脳内で異常が起きています
脳振盪は単なる「軽い頭の怪我」ではありません。実際には脳内で代謝異常や神経ネットワークの乱れが生じています。
意識消失がないケースが90%以上
「意識があるから大丈夫」は禁物です。脳振盪の90%以上は意識を失わないため、周囲が見逃してしまうリスクがあります。
脳の内部では以下のような深刻な事態が一時的に生じています。
- 神経細胞のエネルギー代謝異常
- 軸索(神経線維)の微細損傷
- 記憶・注意・処理速度の低下
見逃さないで!子どもに多い脳振盪のサイン
お子様が頭を打った後、数日から数週間、以下のような症状が出ていないか確認してください。
- 身体症状: 頭痛、吐き気、めまい、眠気
- 精神・認知面: ぼーっとする、物忘れ、集中力の低下、イライラ
- その他: 普段より元気がない、学校の成績が急に落ちる
一部の子どもでは、3か月以上も認知機能の低下が残るケースも報告されています。
最も危険なのは「回復前の再受傷(セカンドインパクト)」
過去に脳振盪を起こした人は、次の脳振盪を起こすリスクが約6倍に高まります。完全に回復する前に再び衝撃を受けると、以下のリスクが飛躍的に高まります。
- 症状の長期化
- 長期的な記憶障害
- 将来的な神経疾患リスクの増加
「様子を見る」だけで運動を再開させるのは、国際的なガイドラインでも推奨されていません。
津かわもと救急・内科クリニックでの対応
当院では、救急診療の経験を活かし、スポーツによる頭部外傷に対して以下のサポートを行っています。
- 専門的な神経学的診察
- 必要に応じた画像検査(CT等)との連携
- 安全な運動再開タイミングの医学的判断
- 学校・部活動への復帰に向けた具体的アドバイス
当院は土曜日・日曜日も診療を行っております。週末の試合や練習中の怪我でも、早めにご相談いただけます。
まとめ:その判断が子どもの未来を守ります
「念のため診てほしい」という保護者の方の判断こそが、お子様の将来の脳を守る第一歩です。
成長期の脳は、まさに「未来そのもの」です。小さな違和感を見逃さず、安全にスポーツを続けられる環境を一緒に作っていきましょう。
【参考文献】
- Hallock H, et al. Sport-related concussion: a cognitive perspective. Neurology: Clinical Practice. 2023.