- 3月 20, 2026
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健康診断で指摘された尿酸値(高尿酸血症)とは?|津かわもと救急・内科クリニック

高尿酸血症とは?
健康診断の結果で「尿酸値が高い」と指摘されても、痛みも不調もないため、そのままにしてしまう方は少なくありません。実際に高尿酸血症は、自覚症状が乏しいまま進むことが多く、日常生活の中で異変に気づきにくい特徴があります。
一方で、放置によって関節の激しい痛みを引き起こす痛風発作や、腎機能への負担、尿路結石などにつながることがあり、単なる健診異常として軽く考えるべきではありません。生活習慣病との関係も深く、体重増加、食習慣の乱れ、飲酒習慣、運動不足など、身近な要因と密接に結びついています。
- 高尿酸血症と尿酸の役割
高尿酸血症とは、血液中の尿酸の値が基準より高い状態を指します。一般的に、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されます。尿酸は体内で不要になったプリン体が分解されて生じる老廃物で、通常は血液中に溶けたあと、主として腎臓から尿へ排泄されます。一定量の尿酸は誰の体内にも存在しており、ただちに悪いものというわけではありません。しかし、産生量が増えすぎたり、排泄が追いつかなかったりすると血液中に蓄積し、結晶化しやすくなります。
尿酸が問題となるのは、値が高い状態が続くことで関節や腎臓などに影響を及ぼすためです。特に尿酸が結晶化すると、足の親指の付け根などに強い炎症を起こし、痛風発作として現れます。また、腎臓の中で結晶が沈着すると、尿路結石や腎障害の原因にもなります。
- 高尿酸血症の原因
高尿酸血症の発症には、大きく分けて「尿酸の産生が多い場合」と「尿酸の排泄が少ない場合」、「両方が重なっている場合」があります。体内では細胞の代謝によって日々プリン体が生じますが、これが過剰になると尿酸も増えます。さらに、食事から摂取するプリン体やアルコールの影響も加わることで、血中尿酸値は上昇しやすくなります。一方で、日本人では尿酸の排泄低下が関与している例が多いとされ、腎臓から十分に排出できない体質や生活習慣が重要な要因になります。
生活習慣の面では、食べ過ぎ、飲み過ぎ、肥満、内臓脂肪の蓄積、運動不足が深く関わります。特にアルコールは、体内で尿酸の産生を促し、同時に排泄を妨げるため注意が必要です。加えて、果糖を多く含む清涼飲料水や甘味飲料の過剰摂取も尿酸値上昇と関連します。ほかにも、脱水、ストレス、睡眠不足、激しい無酸素運動、特定の薬剤の影響で尿酸値が上がることがあります。
高尿酸血症は単一の原因で生じるというより、体質と生活習慣が重なって起こることが多く、日常の積み重ねが数値に反映されやすい病態です。
- 高尿酸血症で起こりうる症状と合併症
高尿酸血症そのものは、初期にはほとんど症状がありません。そのため、健康診断で初めて指摘されるケースが多く、本人に危機感が生まれにくい傾向があります。しかし、尿酸値が高い状態が続くと、ある日突然、痛風発作として表面化することがあります。典型的には足の親指の付け根に、赤み、腫れ、熱感を伴う激しい痛みが出現し、歩くことがつらくなるほど強く痛むことがあります。発作は1か所とは限らず、足首、膝、手関節などに起こることもあります。
さらに注意したいのは、関節以外への影響です。尿酸の結晶は腎臓や尿路にも負担をかけ、尿路結石を引き起こすことがあります。結石ができると、背中から脇腹にかけて強い痛みが出たり、血尿が見られたりします。また、高尿酸血症は高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病、メタボリックシンドロームと併存しやすく、全身の健康状態を示すサインとしても重要です。
- どのような人が高尿酸血症になりやすい?
高尿酸血症は中高年の男性に多いことで知られていますが、近年は食生活の欧米化や肥満の増加に伴い、若い世代でも見られるようになっています。男性に多い理由には、女性ホルモンが尿酸排泄に関与していることがあり、閉経前の女性では比較的少ない一方、閉経後は女性でも尿酸値が上がりやすくなります。家族に高尿酸血症や痛風の方がいる場合は、体質的に尿酸値が上がりやすい可能性もあります。
日常生活の特徴としては、外食が多い方、肉類や内臓類を好む方、飲酒量が多い方、甘い飲み物をよく飲む方、運動不足の方、肥満傾向のある方は注意が必要です。また、水分摂取が少ない方や、健康のために急な激しい運動を始めた方でも尿酸値に影響が出ることがあります。高血圧や腎機能低下を指摘されている方、利尿薬など一部の薬を使用している方もリスクが高まります。
- 高尿酸血症の検査と診断
高尿酸血症の診断は、血液検査で血清尿酸値を確認することから始まります。健診では比較的よく測定される項目であり、まずはここで異常が見つかることが一般的です。ただし、1回の数値だけで判断せず、食事内容や飲酒、脱水など一時的な影響を踏まえて総合的に評価することが重要です。また、単に尿酸値が高いかどうかだけではなく、腎機能、血糖、脂質、肝機能、血圧、体格なども併せて確認し、全身の代謝状態を把握していきます。
必要に応じて、尿検査や尿酸排泄に関する評価が行われることもあります。これにより、尿酸が作られすぎているのか、排泄が低下しているのかをある程度推定できます。痛風発作が疑われる場合は、症状の経過や関節所見から診断を進め、場合によっては画像検査が用いられることもあります。腎結石が疑われる場合には、超音波検査やCTなどが必要になることもあります。
- 高尿酸血症の治療
高尿酸血症の治療は、生活習慣の改善と必要に応じた服薬が基本です。尿酸値が少し高い段階では、食事、飲酒、体重、水分摂取、運動習慣を見直すことが重視されます。特に肥満がある場合、急激ではない適切な減量によって尿酸値の改善が期待できます。アルコール摂取の是正や、糖分の多い飲料を控えることも有効です。
尿酸値が高い状態が続く場合や、痛風発作を繰り返す場合、腎障害や尿路結石を伴う場合には、尿酸降下薬の使用が検討されます。薬には尿酸の産生を抑えるタイプと、尿酸の排泄を促すタイプがあり、患者さんの病態や腎機能に応じて選択します。ただし、薬を開始した直後は尿酸値の変動によって一時的に痛風発作が起こりやすくなることがあるため、医師の指示に従って継続することが重要です。自己判断で中断すると、かえってコントロールが不安定になるため、治療は数値と症状の両面を見ながら丁寧に進める必要があります。
- 食事と飲酒で気をつけたいこと
高尿酸血症の改善では、食事内容の見直しが欠かせません。よく知られているのはプリン体の摂取を控えることですが、それだけに注目しすぎると全体の栄養バランスを崩すおそれがあります。レバーなどの内臓類、一部の魚介類、濃厚な肉料理を過剰に摂らないことは大切ですが、極端な制限は長続きしません。日常では、主食、主菜、副菜を整え、野菜や海藻、きのこ類を取り入れながら、食べ過ぎを防ぐことが現実的です。総摂取エネルギーを適正化し、内臓脂肪を減らしていく視点が、尿酸値の改善に直結します。
飲酒については、種類だけで安全性を判断しないことが重要です。ビールはプリン体の観点から話題になりやすい一方、アルコール自体が尿酸値を上げるため、ビール以外なら問題ないとはいえません。日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーであっても飲み過ぎは悪影響になります。また、果糖を多く含むジュース、炭酸飲料、エナジードリンクなども尿酸値上昇に関わるため注意が必要です。反対に、水分をしっかり摂ることは尿酸排泄を助け、結石予防にも役立ちます。
- 放置を防ぐための日常管理と受診の目安
高尿酸血症は、数値が少し高いだけでは実感しにくく、生活改善の必要性を感じにくい病気です。しかし、自覚症状が出てから対応するのでは遅れることがあります。健診で尿酸値の異常を指摘された時点で、まずは現在の食習慣、飲酒量、体重変化、運動不足、水分摂取量を振り返ることが大切です。特に、毎年高めの値が続いている方や、徐々に上昇している方は、体内で好ましくない変化が進んでいる可能性があります。
受診の目安としては、健診で尿酸値の上昇を繰り返し指摘される場合、7.0mg/dLを超える状態が続く場合、関節の痛みや腫れ、足の親指の激痛、血尿、背部痛などの症状がある場合には、早めに内科を受診することが勧められます。また、高血圧、糖尿病、脂質異常症、腎機能低下などを併せ持つ方では、より慎重な管理が必要です。
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