- 3月 27, 2026
- 3月 14, 2026
【新導入】長引く咳の原因を「数値」で可視化。当院でFeNO(呼気中一酸化窒素)検査が可能になりました|津かわもと救急・内科クリニック

「風邪は治ったはずなのに、咳だけが数週間続いている」
「夜中や明け方に激しい咳が出て、眠れない」
「会話の最中に咳き込んでしまい、困っている」
津市の皆さま、こんにちは。津かわもと救急・内科クリニック 院長の川本です。
当院ではこの度、長引く咳の診断精度をさらに高めるため、「FeNO(フィーノ)検査(呼気中一酸化窒素濃度測定)」を導入いたしました。これまで「原因がはっきりしない」とされてきた咳の正体を、客観的な数値で突き止めることが可能になります。
1. その「長引く咳」、実は「咳喘息」かもしれません
一般的に、8週間以上続く咳を「慢性咳嗽(がいそう)」と呼びますが、日本においてその原因の約30〜40%を占めると言われているのが「咳喘息(Cough Variant Asthma)」です。
咳喘息は、典型的な喘息のような「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)が聞こえないため、単なる風邪の残りと思われがちです。しかし、適切な治療を行わずに放置すると、そのうち約30%が本格的な「気管支喘息」に移行するというデータもあります。
だからこそ、当院の理念である「重症になる前に診る」ことが非常に重要です。
2. FeNO検査とは? ―― 10秒でわかる「気道の炎症」
FeNO検査は、吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定する検査です。
気道にアレルギー性の炎症(好酸球性炎症)があると、気道の粘膜からNOが多く産生されます。つまり、FeNOの数値が高いほど、「気道が敏感になり、炎症が起きている」ことが客観的に証明されます。
検査のメリット
- 痛くない・苦しくない: 測定器に向かって、約10秒間ゆっくりと息を吐き出すだけです。
- その場で結果判明: 数分で解析が完了するため、受診当日に治療方針を立てることができます。
- 治療の「ものさし」になる: 治療によって数値が下がれば、薬がしっかり効いているという安心感に繋がります。
3. 医学的エビデンスに基づいた診断と治療
私は救急・集中治療の現場で、重症化した喘息発作の患者さんを数多く診てきました。その経験から、早期の正確な診断がいかに大切かを痛感しています。
FeNO検査の有用性は、世界的にも高く評価されています。
- 診断の補助: 慢性的に咳が続く患者さんにおいて、FeNOが高い場合は咳喘息や好酸球性気道炎症の可能性が極めて高いと報告されています(Song WJ et al. Chest. 2017)。
- 治療効果の予測: FeNOが高い方は、吸入ステロイド薬(ICS)に対する反応が良いことが示されており、無駄のない最適な治療選択が可能になります。
数値の目安(ppb:10億分の1単位)
- 22ppb未満: 炎症は少なく、喘息の可能性は低いと考えられます。
- 35ppb以上: 炎症が強く、咳喘息や喘息が強く疑われます。
※22〜35ppbの間は、症状や他の検査結果と合わせて慎重に判断します。
4. 地域の皆さまの「身近な医療の入口」として
FeNO検査は非常に優れた検査ですが、喫煙や鼻炎、直前の飲食などによって数値が変動することもあります。
当院では、救急医としての専門的な視点から、FeNOの数値だけでなく、問診、聴診、呼吸機能検査などを総合的に組み合わせ、患者さん一人ひとりに最適な診断を下します。
「これくらいで病院に行ってもいいのかな?」と迷う必要はありません。その些細な違和感の中に、早期治療のヒントが隠れています。
津市周辺で長引く咳にお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。最新の機器と救急医としての経験を活かし、あなたの「安心」を全力でサポートいたします。