• 12月 17, 2025

【38℃以上の発熱】救急外来を受診する目安は?検査・治療の方針を解説|津かわもと救急・内科クリニック

「38度以上の熱が出た」「解熱剤を使っても下がらない」。そんな時、いつ病院に行くべきか迷っていませんか?津かわもと救急・内科クリニックでは、発熱そのものを下げることより「隠れた重症疾患」を見逃さないことを重視しています。当院の検査・治療方針について解説します。
「熱が38度を超えて辛い」「風邪薬を飲んでいるのに下がらない」
発熱は体からのSOSサインであり、救急外来で最も多い症状の一つですが、夜間や休日に高熱が出ると、すぐに救急外来に行くべきか迷われることと思います。

津かわもと救急・内科クリニックでは、発熱の高さ(数字)だけで判断するのではなく、「その熱の原因は何か?」「隠れている危険なサインはないか?」を見極めることを最優先しています。

当院が実践している、発熱診療の方針についてご説明します。


1. 「熱を下げる」ことより「原因を見つける」ことが先決

まず知っていただきたいのは、発熱は体がウイルスや細菌と戦っている証拠であり、熱そのものは敵ではないということです。

当院では、無理やり平熱まで下げることを目的にはしません。

私は解熱剤(アセトアミノフェンなど)を、頭痛や関節痛、倦怠感などの「つらさ」を和らげ、水分や睡眠をとれるようにするために使用します。

重要なのは、その熱が「自然に治る風邪」によるものか、それとも「治療を急ぐ病気(肺炎・髄膜炎・腎盂腎炎など)」によるものかを区別することだと考えています。


2. すぐに受診が必要な「危険なサイン」

熱の高さに関わらず、以下の症状がある場合は「様子見」をせず、速やかに受診(または救急要請)をご検討ください。これらは当院でも最優先で対応する「トリアージ(緊急度判定)」の基準となります。

【ためらわずに医療機関にかかるべきサイン】

  • 呼吸が苦しい: ゼーゼーする、肩で息をする、SpO₂(酸素飽和度)が低い
  • 意識がおかしい: 呼びかけへの反応が鈍い、ぼんやりしている、けいれんを伴う
  • 全身の状態が悪い: 顔色が悪い(青白い)、冷や汗、水分が全く摂れない、尿が出ない
  • 痛み: 激しい頭痛、首が硬くて動かせない。
  • ハイリスクの方: 生後3ヶ月未満の乳児(通常は発熱しない年齢)、抗がん剤治療中や免疫不全の方、妊娠中でぐったりしている場合

当院では来院直後にバイタルサイン(血圧・脈拍・呼吸数・酸素濃度・意識状態)を看護師もしくは医師が測定し、隠れた「敗血症」などの重篤な病態を見逃さない体制をとっています。


3. 検査は「とりあえず全部」ではなく「必要なものを」

「熱があるからとりあえず検査」ではなく、症状から原因を絞り込み、診断と治療決定に必要な最小限の検査を行うことを心がけています。もちろん患者さんからの希望も尊重しますが、不要な検査は行わない方針です。

迅速検査(インフルエンザ・コロナ・溶連菌など)

地域の流行状況と、発症からの時間、症状(のどの痛み、咳など)を総合して実施します。
「検査結果によって治療方針(抗ウイルス薬を使うか、隔離が必要か)が変わる場合」に行うのが原則です。

血液検査・尿検査

「ただの風邪」であれば採血は不要なことが大半です。
しかし、細菌感染(腎盂腎炎など)重症化(脱水・臓器障害)が疑われる場合は、採血や尿検査、培養検査を行い、適切な抗菌薬を選ぶ根拠にします。

画像検査(レントゲン・CT)

咳が激しい、酸素濃度が低い、胸の音が悪いといった場合には、肺炎の有無を確認するために画像検査を行います。胸部レントゲンで異常陰影が認められた場合は当院でCT検査を行い、より詳しく病変を精査します。


4. 治療方針:抗菌薬(抗生物質)は「必要な人にだけ」

「熱があるから抗生物質(抗菌薬)をください」と相談されることがありますが、一般的な風邪や気管支炎のほとんどはウイルスが原因であり、細菌を倒す抗菌薬は効きません。

国内外のガイドラインでも、不要な抗菌薬は耐性菌(薬が効かない菌)を増やすリスクがあるため推奨されていません。

【当院の処方スタンス】

  • ウイルス性の風邪・胃腸炎:
    抗菌薬は処方しません。整腸剤や解熱剤などの対症療法と、十分な水分摂取・休養が治療の基本です。
  • インフルエンザ・新型コロナ:
    発症からの時間や重症化リスク(高齢・基礎疾患あり等)を考慮し、抗ウイルス薬の効果が期待できる場合に処方します。
  • 細菌感染(肺炎・尿路感染症など):
    適切な種類の抗菌薬を処方します。

5. 「帰宅した後」が診療の要です

発熱の診療は、一度の診察で終わりではありません。初期には診断がつかず、時間が経ってから症状がはっきりすることもあるからです。

当院では「薬を渡して終わり」ではなく、「どうなったら再受診すべきか」(次回受診のタイミング)を具体的にお伝えしています。

  • 薬を飲んでも水分が取れないほどぐったりしてきた
  • 呼吸が苦しくなってきた
  • 意識がはっきりしなくなってきた

帰宅後にこのような悪化が見られた場合は、診断が変わる可能性(ただの風邪ではなく、肺炎、敗血症など)があります。遠慮なく再受診してください。
津かわもと救急・内科クリニックは、救急医として、夜間や急な発熱に対しても「見逃さない」医療を提供したいと考えています。

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