• 1月 25, 2026
  • 1月 12, 2026

【喉が痛いときに抗生剤は必要?】急性咽頭炎の正しい診断と当院の検査方針|津かわもと救急・内科クリニック

喉の痛みで抗生剤が必要なのは「10人に1人」だけ?

喉の痛み(咽頭炎)は、特に冬場や学童期のお子様によく見られる症状です。「早く治したいから抗生剤をください」と希望されることも多いですが、実は喉が痛いからといって必ずしも抗生剤が必要なわけではありません。

むしろ、医学的なデータでは「多くの咽頭炎に抗生剤は不要」とされています。

  • ウイルス性の場合: 抗生剤は効きません。
  • 細菌性(溶連菌など)の場合: 抗生剤治療が必要です。

津かわもと救急・内科クリニックでは、この「ウイルス性」か「細菌性」かを科学的に見極めることを大切にしています。

急性咽頭炎の原因:ほとんどが「ウイルス」です

最新の感染症ガイドライン(JAID/JSCなど)や大規模な疫学調査によると、咽頭炎の原因内訳は以下の通りです。

原因の種類割合抗生剤の必要性
ウイルス性約90%不要(効果なし)
細菌性(主にA群溶血性連鎖球菌)約10%必要

喉の痛みだけでなく、「咳」や「鼻水」が揃っている場合はウイルス性の上気道炎(風邪)である可能性が高く、抗生剤が処方されることはほとんどありません。

不要な抗生剤の使用リスク

ウイルス性の喉の痛みに抗生剤を使うと、副作用(下痢や湿疹)や腸内細菌のバランス破壊、さらには将来的に薬が効かなくなる「薬剤耐性菌」を生む原因となります。

当院が細菌性(溶連菌)を疑う「診察基準」

私たちは、国際的な診察基準(CentorスコアやMcIsaacスコア)に基づき、以下の所見がある場合に細菌性感染を疑い、迅速検査を実施します。

  • 片側の首のリンパ節が腫れて痛む
  • 喉が真っ赤に腫れている
  • 喉に白い膿(白苔)が付着している
  • 高熱を伴うが、咳はほとんど出ない

精度90%以上:「A群溶連菌迅速検査」

検査が必要と判断された場合、当院では専用の検査キットを使用してその場で診断します。

  • 感度:約90%(病気がある人を正しく陽性と判定する力)
  • 特異度:約95%以上(病気がない人を正しく陰性と判定する力)

この高精度な検査結果に基づき、「細菌性なら適切に抗生剤を処方」「ウイルス性なら対症療法(鎮痛薬など)」と、根拠のある治療を選択します。

細菌性と診断された場合の治療について

検査で細菌感染(溶連菌)が確認された場合、標準治療としてアモキシシリンを7〜10日間内服していただきます。

ここで最も重要なのは、「症状が良くなっても最後まで飲み切ること」です。途中で服用をやめてしまうと、病気が再燃したり、稀にリウマチ熱などの深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。

※非常に稀ですが、急性喉頭蓋炎や咽後膿瘍など、大きな病院への紹介が必要な重症ケースへ進展することもあります。経過観察を怠らず、処方されたお薬は指示通りに服用してください。

ウイルス性の場合の過ごし方

ウイルス性の場合は、ご自身の免疫で治すのが基本です。

  • 解熱鎮痛薬で痛みを和らげる
  • うがいで喉を清潔に保つ
  • 十分な水分摂取と安静

通常は数日で自然に改善に向かいます。

まとめ:津かわもと救急・内科クリニックの診療方針

当院では、以下の3点を徹底しています。

  1. 不要な抗生剤は処方しない(副作用と耐性菌の防止)
  2. 必要な場合は迅速・正確に診断(科学的な検査の実施)
  3. エビデンスに基づく標準治療(国内外のガイドラインに準拠)

これは、目の前の患者さんの安全を守るだけでなく、社会全体の健康を守るために必要な医療の姿勢であると考えています。

受診を迷われている方へ

「喉が猛烈に痛い」「高熱が出た」「首が腫れている」といった症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

【受診のご案内】

事前にホームページからの予約、またはお電話にてご相談ください。救急専門医の視点から、最適な診療をご案内します。

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