- 2月 17, 2026
- 1月 25, 2026
【糖尿病】風邪や下痢で食欲がない…「シックデイ」の対処法を救急医が解説

こんにちは。津かわもと救急・内科クリニックです。
糖尿病治療中、風邪を引いたり、お腹を壊して食事が摂れなくなったりしたことはありませんか?このように、糖尿病患者さんが体調を崩した状態を「シックデイ(Sick Day)」と呼びます。糖尿病専門医から、シックデイの際にどのように対応すべきか、指導を受けている糖尿病患者さんはたくさんいらっしゃると思います。
シックデイは、単なる体調不良以上に注意が必要です。普段通りの薬やインスリンを続けていいのか、それとも休むべきか。今回は、救急専門医の視点から、命に関わる事態を防ぐための「シックデイ・ルール」について詳しく解説します。
1. シックデイとは?なぜ危険なの?
シックデイとは、発熱、下痢、嘔吐、食欲不振などにより、普段通りの食生活や薬の服用ができない状態を指します。
シックデイに起こるリスク
体調が悪いとき、体内ではストレスホルモンが増え、血糖値が急上昇しやすくなります。一方で、食事が摂れないために低血糖を起こすリスクもあります。
特に注意が必要なのは、以下の重篤な合併症です。
- 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
- 高浸透圧高血糖症候群(HHS)
これらは意識障害や命の危険を伴うため、早期の適切な判断が欠かせません。
2. 当院(津かわもと救急・内科クリニック)の診療方針
私は救急医として、これまで600床以上の基幹病院で多くの重症シックデイ患者さんを診てきました。大きな病院では「即入院」となるケースが多いですが、当クリニックでは、「外来で粘れるか、入院が必要か」の迅速な線引きを大切にしています。
- 土日も診療: 週末に体調を崩しても、我慢せず受診いただけます。
- 他院通院中の方も対応: かかりつけ医がお休みの際などの急な体調不良も、早期評価と点滴・調整を行います。
- スムーズな病診連携: 入院が必要と判断した場合は、速やかに適切な入院施設をご紹介します。
3. 【タイプ別】シックデイの重要ルール
Ⅰ型糖尿病の方
「食事が摂れなくても、インスリンは絶対に自己中断しないでください」
これが鉄則です。感染症などのストレス下では、インスリンの必要量が増えることもあります。中断すると短時間でケトアシドーシスに陥るため、必ず医師の指示を仰いでください。
Ⅱ型糖尿病・内服薬を服用中の方
薬の種類によって、「一時中止(休薬)」すべきものがあります。
| 薬剤の種類 | 対処法と理由 |
| SGLT2阻害薬 | 原則中止。 脱水を悪化させ、正常血糖ケトアシドーシスのリスクがあるため。 |
| メトホルミン | 脱水時は一時中止。 乳酸アシドーシスという重篤な副作用を防ぐため。 |
| GLP-1受容体作動薬 | 休薬を検討。 吐き気や嘔吐などの消化器症状を強める可能性があるため。 |
| SU薬・速効型分泌促進薬 | 減量・休薬。 食事が摂れない中での低血糖を防ぐため。 |
4. すぐに受診・救急車を検討すべき「危険なサイン」
以下の症状がある場合は、迷わず当院や救急センターを受診してください。
- 吐き気・嘔吐が止まらず、水分も摂れない
- 血糖値が 300mg/dL 以上のまま改善しない
- 尿ケトンが陽性(自宅で検査可能な場合)
- 呼吸が荒い、または意識がぼんやりする
- 強いのどの渇きや脱水症状がある
救急現場で診る重症患者さんには、必ずといっていいほどこれらの兆候が見られます。
まとめ:早めの相談が「重症化」を防ぎます
シックデイの対応は、患者さんお一人おひとりの腎機能や現在の食事摂取量、ご家族のサポート体制によって異なります。
当院では、点滴による脱水ケア、血糖・ケトン体の確認、お薬の調整指導をきめ細かく行います。「これくらいで受診してもいいのかな?」と迷う必要はありません。
津市で週末も診療可能な糖尿病対応クリニックとして、皆さんの安心をサポートいたします。体調に不安を感じたら、まずは一度ご相談ください。