- 2026年10月15日
- 2026年10月9日
発熱したら、検査はいつ? インフルエンザ・新型コロナの受診の目安
こんにちは。津かわもと救急・内科クリニックです。
「今朝から熱が出たけれど、すぐに検査を受けてよい?」
「検査が陰性なら、学校や仕事に行っても大丈夫?」
発熱時に迷いやすいこの2点について、研究データをもとにお伝えします。
「陰性」は「感染していない」という意味ではありません
抗原検査は、陽性ならほぼ確実に診断できる一方、感染していても陰性に出ることがあります。
インフルエンザの迅速検査を調べた159件の研究の統合解析では、感染者を正しく陽性と判定できた割合(感度)は約62%、成人に限ると約54%でした。感染していない人を正しく陰性と判定できた割合は約98%です[1]。新型コロナの抗原検査も、症状のある方での感度は約73%と報告されています[2]。
つまり、陽性は信頼できますが、陰性だけでは感染を否定できません。
発症直後は、陰性に出やすい
国内の研究では、インフルエンザ迅速検査の感度は、発症12時間未満で約39%、12〜24時間で約41%、24〜48時間で約65%と、時間がたつほど高くなる傾向がありました[3]。約300名の研究のため数値には幅がありますが、発症直後は体内のウイルス量がまだ少なく、検出されにくいと考えられています。
新型コロナでは、発症から1週間以内の感度は約81%で、2週目には約54%に下がります[2]。
それでも、受診を我慢する必要はありません
「時間をおいたほうが正確なら、待ってから受診しよう」と考える方もいらっしゃいます。しかし、待つことにも不利益があります。
抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に開始すると、発熱期間が通常1〜2日短くなります。48時間を過ぎてからでは、十分な効果は期待できません[4]。臨床試験でも、症状が治まるまでの時間は約1日短縮されています[5][6]。
診察では、検査を今行うか、時間をおいて再検査するかも含めて判断します。高齢の方、持病のある方、妊娠中の方、息苦しさがある方、水分が取れない方は、早めにご相談ください。
陰性でも、症状がある間は休養を
インフルエンザは、発症前日から発症後3〜7日間、ウイルスを排出するとされています[4]。新型コロナは発症後5日間の感染リスクが高く、その間は外出を控え、10日目まではマスクの着用が勧められています[7]。
学校の出席停止期間は次のとおりです[4][8]。
- インフルエンザ:発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで
- 新型コロナ:発症後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで
検査が陰性でも、発熱や咳がある間は無理に登校・出勤せず、手洗い、換気、マスクを続けてください。症状が続く、または悪化する場合は、再度ご相談ください。
受診時に伝えていただきたいこと
- いつから、どのような症状が出たか
- 最も高かった体温
- 水分や食事が取れているか
- ご家族や職場、学校での感染状況
- 使用した薬や、自宅で行った検査の結果
発熱時は、検査結果だけでなく体調の変化にも目を向けることが大切です。受診を迷う場合は、津かわもと救急・内科クリニックへご相談ください。
津かわもと救急・内科クリニック
院長 川本 英嗣
参考文献
- Chartrand C, et al. Ann Intern Med. 2012;156:500-511.
- Dinnes J, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2022;CD013705.
- 明石祐作ほか. 感染症学雑誌. 2021;95(1):9-16.
- 厚生労働省. 令和5年度インフルエンザQ&A.
- Dobson J, et al. Lancet. 2015;385:1729-1737.
- Hayden FG, et al. N Engl J Med. 2018;379:913-923.
- 厚生労働省. 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付け変更後の療養期間の考え方等について(令和5年4月14日).
- 文部科学省. 学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令の施行について(令和5年4月28日).